ブリーダーとは
今回、掲載先にて、ブリーダーが保護活動をしていることについて様々な意見を頂戴し、掲載中止となりました。
くぅ~ちゃんママさん、yumiさんに、多大なご迷惑をおかけしてしまったことをお詫びいたします。
ここに私の活動について改めて書かせていただきます。
まず、専門店やブリーダーが保護活動をすることに疑問を感じる方がいらっしゃるようですが
私は、専門店・ブリーダーだからこそ保護活動をするべきだと思います。
専門店・ブリーダー=悪徳業者・繁殖業者とするのはやめてほしい。
まず、ブリーダーとは何なんでしょうか?
ブリーダーになるための必要な資格がない。
私もブリーダーを自称していますが勝手に名乗ってるだけです。
勤務先で動物取扱業責任者になるよう言われてますが、事情により取得していません。
資格は現在3級家庭動物管理士を取得していますが、資格があるから信頼性や地位向上のためではなく(そもそも向上しないけど)講習会やテキスト購入などの特典で勉強がしやすいから取得しました。
私がブリーダーを自称するのは命に関わる仕事に対して責任を持たなければいけないと思ったからです。
ブリーダーの仕事とは、まず第一に種の保存。
話が大きくなっちゃうので、うさぎに関わりそうなことをかいつまんでいくと
・純血種の生産・管理。
・うさぎの正しい飼い方・うさぎについてのレクチャー等啓蒙活動。
この2点がブリーダーの仕事だと考えています。
血統の管理はいうまでもなく、先天性疾患の繁殖防止や簡単なところだと例えばネザーとロップイヤーを交配させないとか。
いくらなんでも品種別なんて当たり前だと思われるかもしれませんが、巷にあふれている安価な「ミニウサギ」とはこれです。
ミニウサギとは品種名ではなく雑種です。
ミニウサギを生産するということは、血統の管理ができていないということです。
私はミニウサギを生産する方はブリーダーだと思っていません。
これはまだ犬猫のみの話ですが、日本小動物繁殖研究所の筒井先生の講義によると遺伝子病検査をすることで先天性疾患のある親を排除し、遺伝子病0を目指せる活動があります。
ただし、雑種・ミックスは遺伝子検査ができないそうです。
残念ながらうさぎはまだ遺伝子検査の対象ですらなく、日本に入ってきているうさぎのほとんどが先天性疾患の可能性があると言われたり、体内に多くの病原菌を保有しているといわれています。
要するに、うさぎって医学的にまだまだよくわからない生き物なんです。
なんだか話が難しくなっちゃってすみません💦
もう一つ、管理として大切なことに適切な環境での飼育と終生飼養があります。
専門店・ブリーダーでも一般の家庭でも終生飼養の義務があります。
そして、譲渡先(里親)を探すことも義務です。
法律で決められているから、義務だからと書いてしまうとなんだか冷たく感じるかもしれませんが
上記の2点の義務ができていないから、保護活動が必要になってくるのです。
専門店・ブリーダーや一般家庭でも終生飼養を守ってさえくれれば何の問題も起きないのですが
残念ながら現実として捨てられてしまううさぎ達が後を絶ちません。
みなさんが専門店・ブリーダーを嫌悪するのは、この終生飼養を守らず殺処分・遺棄・処分業者に渡すなどの行為が行われているからでしょう。
私も上記の行為をもちろん容認などできません。
自分の勤めている店では数年前に動物園でふれあい広場にほしいと依頼があり、引退予定のうさぎを業者に渡したことがあります。
しかし、その業者が残念ながらふれあい広場ではなく、動物園の猛獣系のエサ用や猛禽類のエサとしてうさぎを扱っている、処分業者だと判明したことがありました。
そんな悪徳業者を信じてしまった我々の甘さを猛省し、引退うさぎさんや傷病を負ったうさぎさんは全て里親を探すこととしました。
さらに、最初のブログでも書きましたが去年の夏に、埼玉某所の畑小屋で捨てられているうさぎ達を経営者にお願いし、保護したことをきっかけに店独自のライフセーブプロジェクトを立ち上げ里親活動を行ってきました。
多くの里親を探すことができた一方で、専門店が里子を出す=捨てている。という批判が後を絶ちません。
これにより評判を気にして経営者は里親活動を控えてしまう傾向があります。
里親が決まらない子ももちろんいます。
その子たちは終生飼養するのは当然なのですが、ここに私はすこし違和感を感じました。
私を含め、スタッフは愛情をもってうさぎさんに接していますが、何十・何百羽といる専門店やブリーダーの施設にいるより、1家庭に引き取られた方がしあわせなんじゃないか?と。
専門店・ブリーダーならうさぎを最後まで責任持て!とおっしゃる方がいらっしゃいますが里親を探すことは無責任に捨てる行為ではなく、新しい家庭を探してあげることは責任ある行動なのではないのでしょうか?
経営者は評判を気にします。
マイナスイメージは極力避けようとしますし、そもそも業界ではこの引退・傷病・売れ残りなどのうさぎについて隠蔽するのが当たり前、「殺処分」という言葉自体がNGワードとされています。
しかしながら、一般家庭から遺棄される数より専門店・ブリーダー等’業者’が遺棄する数の方がはるかに多い現実があります。
そんな悪徳業者を助長させる危険があるにせよ、生産者からの里親・保護は必要だと思います。
一般家庭からでも生産者から出てしまった遺棄でもうさぎの命の重さはかわらないはずです。
それを差別することはよくないことだと思います。
確かに線引きが難しいのも事実です。
これを大々的にやることはできませんが、生産者側にいる人間だからこそ、見える部分がありますから自分が確認できる数は、よく確認し、その店やブリーダーを見極め、保護活動ができると感じたため、当HPを立ち上げ、保護活動を始めることを決意しました。
他の保護活動家さんとは少し毛色が違うのは重々承知の上です。
この問題の解決には、法改正や厳罰化・保護シェルターの配備などが必要だと感じています。
まだまだペット業界は未熟で発展途上です。
逆に言えばこれから良い方向にいくらでもできる可能性を秘めています。
私なんかができることはたかが知れているかもしれませんが、少しでも良い方向に進ませたい。
それには問題提起を続けることが大事だと思います。
悪徳業者がいなくなり、捨てられるうさぎがいなくなり、そして保護活動なんてしなくてもいい世の中が来ることを願っています。
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2020.07.29 08:39